


鎌倉市。臨済宗 円覚寺派 大本山。鎌倉五山1)の第二位。
1282年開山。開基(かいき)2)北条時宗。開山(かいさん)3)無学祖元。
1)鎌倉五山:臨済宗の寺院で鎌倉にある五つの禅寺。室町時代の足利義満により決定された。
2)開基:寺院の創立に経済的な支援をした世俗の人
3)開山:寺院を創建した僧侶(初代住職)
北条時宗は鎌倉幕府第8代執権(1268-1284)。蒙古襲来で命を落とした人々の鎮魂と国家安泰を祈念して建立された。
JR横須賀線の北鎌倉駅を降りたら直ぐに寺があり、入口の「総門」を入って、まっすぐに進むと、順番に三門、仏殿、選仏場、居士林、方丈、妙香池(みょうこうち)、舎利殿、開基廟(仏日庵の中)とある。仏殿から東南の丘の上に弁天堂があり、ここに洪鐘(おおがね)が置かれている。
舎利殿(鎌倉時代の建造物)と洪鐘が国宝。
洪鐘は関東で最も大きい鐘で、1301年の北条貞時が国家安泰を祈願して寄進した。
三門は三解脱(空・無相・無願)を象徴するといわれ、諸々の煩悩を取り払って涅槃・解脱の世界である仏殿に至る門とされる。
仏殿にはご本尊 宝冠釈迦如来が祀られている。天井には、前田青邨(まえだせいそん)の監修のもと、守屋多々志によって描かれた「白龍図」がある。
方丈およびその庭園を超えて奥に進むと舎利殿がある。舎利殿は鎌倉時代に宋から伝えられた様式をそのまま残した建物として国宝に指定されている。しかしながら、一般拝観者は離れた位置にある小門から覗くだけで、建物はほとんど見ることができず、何の感興も起こらなかった。舎利殿は昔、切手になったことを覚えている。調べたら30円切手だった。
北条時宗が禅の修行をした庵の場所は、現在仏日庵(ぶつにちあん)となっており、その中に時宗の開基廟がある。仏日庵に関しては、別に訪問記を書く。
円覚寺は明治時代に在家の人の座禅が盛んになり、山岡鉄舟、鈴木大拙、夏目漱石などの多くの居士2)が参禅した。
2)居士(こじ):出家せずに家庭で仏道修行をする男性の仏教徒。女性の場合は「大姉(だいし)」という。
また、夏目漱石の小説「門」、島崎藤村の小説「春」、川端康成の小説「千羽鶴」など多くの作品の舞台になった。












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