
京都市北区紫野大徳寺町。1315年創建。臨済宗大徳寺派の大本山。
開山 宗峰妙超(大燈国師)。
広大な境内には、24の塔頭寺院が点在し、多くの国宝や重要文化財が残されている。ただし、一般公開されていない建物や塔頭も多い。
応仁の乱(1467年)で伽藍のほとんどが焼失したが、「一休さん」として知られる一休宗純が大徳寺第47世住持となり、堺の豪商・尾和宗臨らの支援を得て復興を果たした。
1582年豊臣秀吉が織田信長の葬儀を営み、菩提寺として総見院を建立した。これが契機となり、その後多くの戦国武将により塔頭が次々と建立され、境内は飛躍的に拡大した。







初めに参詣した感想を述べる。
敷地が広すぎて、さらに境内が多数の塔頭で区分けされており(塀で仕切られており)、ほとんどの塔頭は一般観光客には非公開なので、いったいどこからどこまでが寺なのか、よく分からない寺院だった。
後から山内図をよくよく眺め、ようやくどのような寺なのか理解できた。大徳寺および24の塔頭は、それぞれが現在も生きた寺として、僧侶が禅の修行をし、檀家をかかえて活動している。
大徳寺の中心伽藍は、禅寺の伽藍配置をしており、勅使門、山門、仏殿、法堂(はっとう)がほぼ一直線に並ぶ。さらに法堂の北側に唐門、方丈があり、方丈には庭園がある。
・山門 重要文化財。二層の山門で「金毛閣」とも呼ばれる。連歌師・宗長の寄進で1529年にまず下層のみが竣工し、1589年に千利休によって上層が完成した。利休の恩に報いるために、寺は上層に雪駄を履いた彼の木像を造り、安置した。このため、門を通る者は利休の足下をくぐることになり、これが豊臣秀吉の怒りを買い、切腹の一因となったとする説が広く知られている。
・仏殿 重要文化財。本尊 釈迦如来坐像。
・法堂 重要文化財。天井画「雲龍図」は狩野探幽35歳のときの力作といわれ、真下で手をたたくと龍が鳴いたように響くことから「鳴き龍」とも称される。(実際に私もやってみたら、一回の柏手の音が、細かい複数の音になって響き渡った。)
・方丈 国宝。障壁画84面は狩野探幽の作。
・唐門 国宝。西本願寺と豊国神社の唐門とともに「桃山の三唐門」と呼ばれる。
常時拝観可能な塔頭は龍源院、瑞峯院、大仙院、高桐院の4か院のみ。
私が大徳寺を参詣したのは2026年2月25日だったが、3つの塔頭を見学した。
1)龍源院 大徳寺の中で最も古い塔頭寺院。1502年創建。開山 東渓宗牧。能登領主の畠山義元や豊後の戦国大名 大友義長らにより創建。建物はいずれも室町時代後期のもの。4つの庭が有名。
・方丈南庭「一枝坦(いっしだん)」
・方丈北庭「龍吟庭」
・石庭「東滴壺」 日本一小さい石庭といわれる。昭和の作品。
・石庭「滹沱底(こだてい)」
2)黄梅院 織田信長が父信秀の追善菩提のために、1562年に羽柴秀吉に命じて建立した小庵に始まる。開祖 春林宗俶。1586年に秀吉により本堂と唐門が、1589年に毛利元就の子・小早川隆景により庫裡・表門が改築され、その年に「黄梅院」と改められた。千利休が豊臣秀吉の命により作庭したと伝わる「直中庭(じきちゅうてい)」、また利休の「茶の湯」の師である武野紹鷗(じょうおう)好みの茶室「昨夢軒」などがある。
3)大光院(たいこういん) 豊臣秀吉の弟・秀長の菩提寺として奈良・大和郡山に創建され、後に大徳寺山内に移された。秀長の墓がある。客殿には水墨の襖絵「黒雲龍図」がある。これは奥州・伊達家伝来の狩野探幽筆と伝わる屏風を襖絵に仕立て直したもの。また「蒲庵(ほあん)」という黒田如水(官兵衛)好みの二畳台目の茶室がある。
大光院の拝観は、2026年冬の特別公開だった。この為か写真撮影は一切禁止であり、写真の記録は残せなかった。
私は拝観しなかったが、その他にも有名な塔頭があり、いくつか挙げる。
・総見院 1583年豊臣秀吉が織田信長の菩提のために建立。信長公をはじめ、徳姫(信長の息女)、濃姫(正室)らの墓がある。
・三玄院 1589年浅野幸長・石田光成・森忠政(蘭丸の弟)が創建。石田三成の墓がある。
・瑞峯院 1535年キリシタン大名として知られる大友宗麟が自らの菩提寺として創建。
・高桐院 常時公開の塔頭。1601年細川忠興が建立。京都での肥後細川氏の菩提寺。細川忠興やその室・ガラシャなどの墓がある。
・龍光院 非公開の塔頭。黒田長政が父・黒田如水(半兵衛)菩提のため1606年三回忌の折に建立。如水や正室光、長政の墓所がある。天下の三大茶室「密庵(みったん)」(国宝)が著名。
京都の寺院、特に禅宗の寺院では、庭園が非常に美しく、枯山水の枯淡の美、幽玄美がしっかりと維持され、日本独自の「わびさび」文化にどっぷりと浸れる点が嬉しかった。大徳寺は立派なお寺でありながら観光客が少なく、静かに落ち着いて拝観できた。













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