人間は考える葦である


 パスカル(1623~1662;フランスの哲学者)の言葉。彼の原稿を死後に整理して出版した「パンセ」(1669)のなかの言葉。
 人間は肉体的に非常にか弱い存在だが、同時に考える能力を持っている点で強く、尊い存在である、という意味。
(仏語)L’homme n’est qu’un roseau, le plus faible be la nature, mais c’est un roseau pensant.
(英訳)Man is but a reed, the most feeble thing in nature, but he is a thinking reed.
 この文章の後には、次のような内容が続く。
「・・・私たちの尊厳は、ひとえに思考することに存する。そこにこそ私たちは立脚すべきなのであって、私たちが満たすことはできない空間や時間ではないのだ。それゆえ、よく考えるように努力しよう。これが倫理の原則である。」

<補足1>
(英訳)の最初のbutは、副詞のbut。「・・・にすぎない」「ただほんの・・・だけ」の意味。(=only)
 He is but a child. 彼はほんの子供にすぎない。
<補足2>
 パスカルは哲学者と書いたが、肩書はWikipediaによると、哲学者、自然哲学者、物理学者、思想家、数学者、キリスト教神学者、デカルト主義者、発明家、実業家とある。
 流体力学の「パスカルの原理」、幾何学の「パスカルの定理」は有名。


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