
諸法(すべての存在)はただ8種類の「識(心のありよう)によって成り立っている、すなわちすべてのことは心(識)を離れて存在しないという教義。大乗仏教の見解のひとつであり、法相宗は唯識教学を中心の教えとする。
8種類の識とは、
・5種の感覚(前五識) 眼識(げんしき)、
耳識(にしき)、鼻識(びしき)、
舌識(ぜつしき)、身識(しんしき)
・意識
・2層の無意識 末那識(まなしき)、
阿頼耶識(あらやしき)
を指す。
前五識と意識は、顕在的な認識作用である。
第七識に末那識という潜在意識があり、常に自分に執着する深層の心であるといわれる。
さらに深層に第八阿頼耶識という根本の識があり、この識が前五識・意識・末那識を生み出し、さらにほかの識の相互作用も阿頼耶識を離れては存在しえないとされる。
すべての事象に実体はなく、万物は識の心的作用のみで成り立っていると考えられている。
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