
浅田雅文 中公新書 2024年
日本が行った史上最後の戦争である日ソ戦争の詳細がまとめられていて優れた本だと思った。また、巻末の註記や参考文献の膨大な量に、歴史学者とはいかにたくさんの資料を調べるのかと驚き、感心した。
新しい史実を知ったことは勉強になったが、同時にとてもショッキングな戦争の真実を知った。負ける戦争をしてはならないと痛感した。
昔も今も、日本は大きな国と戦争しても勝てない現実を心底理解しなくてはならない。それが第二次世界大戦の貴重な教訓だ。
不幸にも日本の周辺には大きな国が三つもある。アメリカ、ロシア、中国。その三国と戦争しても勝てない。残念ではあるが、厳しい現実は冷静に理解しなくてはならない。
こちらから戦争はしないが、相手から攻められた時には、防戦するだけの戦力は持つべきかも知れない。ウクライナが被っていることは、日ソ戦争で起こったこととよく似ていて、歴史は繰り返すからだ。
戦力といっても、起こっていない戦争のための組織や設備に膨大な投資をすることは平和時の生活を苦しめるので、バランスがとても難しい。また、戦争に持ち込まないための情勢分析と外交がとても重要だ。
この本を読んで、防衛のために必要な人、兵器、兵站および優れた政略・戦略を考える組織の重要性が分かった。
コメントを残す