映画の黄金期 1950年代


 日本映画の黄金期は1950年代(昭和30年前後)といえる。
 映画館への観客動員数の記録を下記に示す。80万人/年を越える観客が映画館に来た年は1955~1961年(昭和30~36年)。これが黄金期の根拠である。

 映画館に行く観客は、現代(2024年)の8倍である。映画を見る人が減った最大の原因はテレビの普及である。庶民の娯楽は、1960年代(昭和40年前後)はテレビに移った。また、直近では映画作品をレンタルビデオで見たり、ネット配信で見たりすることで、わざわざ映画館に行かない鑑賞の仕方も出て、観客数を減らす一因となっているだろう。

 この時代(1950年代)には、世界で評価される名作品、名監督が誕生した。
 黒澤明、溝口健二、小津安二郎が代表的だ。国内だけかも知れないが、とても素晴らしい作品を制作した監督も多い。成瀬巳喜男、今井正、木下啓介など。

 1953年(昭和28年)~1960年(昭和35年)に人気が出た映画を調べた。映画会社6社(日活、東宝、松竹、東映、大映、新東宝)の作品が、すべてベスト3に挙がっており、各社の競い合いもうかがえる。
 さらに面白いことに、同年のキネマ旬報が表彰する映画ベスト3とは作品が異なる。これは大衆に人気が出て興行収入が多い作品と、映画人が名画と評価する作品とに、若干の差異があるということだろう。
 興行収入が多い作品には、おなじみの時代劇や、若い人気スター主演の作品がある。キネマ旬報で名画とされた作品には、いわゆる巨匠の監督の作品もある。時間が経って2026年のいま、アーカイブとして改めて観たいと思うのは、キネマ旬報で名作と評価される映画の方に多い気がする。


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