佛日庵（ぶつにちあん）

鎌倉市。円覚寺の塔頭^１）寺院。
　　１）塔頭（たっちゅう）：大きな寺院の敷地内にある独立寺院のこと。祖師や門徒高僧の死後、その弟子が師の徳を慕い、敷地内に建てた塔や庵を有する小寺院。
　円覚寺は1282年に鎌倉幕府第８代執権北条時宗が創建した。時宗は今の仏日庵の場所に小さな庵をむすび、禅の修行を行った。1284年に亡くなると、開基廟として整備された。
　室町時代末期（1532～55）に鶴隠周音（かくいんしゅういん）が開基廟の南に庵を作りそこに居した。その後「仏日庵」と改称し、円覚寺の塔頭として中興した。
　本堂には、本尊の地蔵菩薩坐像が安置してある。
　開基廟には、時宗と息子の第９代執権・貞時と孫の第14代執権・高時が祀られている。
　茶室・烟足軒（えんそくけん）は、川端康成の「千羽鶴」や立原正秋の「やぶつばき」などの小説に登場する。
　境内にある「白木蓮（はくもくれん）」と「泰山木（たいさんぼく）」は、魯迅から昭和8年（1933年）に贈られた木。開花はそれぞれ3月中旬と5月～7月。どちらも白い花が咲く。

　仏日庵は円覚寺の中にある小さな庵であるが、時宗のお墓、本堂、苔庭、茶室などがこじんまりと建っていて、静かで美しく、とても心が落ち着く場所だった。
　「しあわせ守り」を授かり、妻に贈った。