薬師寺


西塔 1981年再建
金堂 (南側から)
大講堂
玄奘三蔵院伽藍
釈迦八相像 (東塔、西塔の内陣)

世界遺産。697年造営。法相宗大本山。

 天武天皇が妻の病気平癒を祈って発願(ほつがん)された(680年)。妻が後に持統天皇となり、薬師寺を造営した(697年)。初めは藤原京にあったが、平城京遷都(710年)に伴い、718年に現在の地、西ノ京に移転した。
 法相宗は奈良時代に中国からもたらされた宗派「南都六宗」のひとつで、日本における現存最古の宗派。唯識教義を教えの中心とする。始祖は玄奘三蔵(602~684)。法相宗の宗祖は慈恩大師(632~682)で玄奘三蔵の弟子。
 東塔は創建当時から残る唯一の建物。各層に裳階(もこし)をつけているため六重に見えるが、三重の塔。特異な形は律動的な美しさを保ち、「凍れる音楽」と称されてきた。白鳳時代(645~710年の間をさす文化史上の時代区分)の仏塔で国宝。2009~2021年にかけて初の全面解体大修理が行われた。                                       
  金堂(昭和51年(1976)再建)
  西塔(昭和56年(1981)再建)
  大講堂(平成15年(2003)再建)
 私は高校時代の修学旅行が奈良・京都であったために、1977年に薬師寺を訪れた。その時には、まだ西塔は無かった。特殊な三重の塔である東塔の美しさに感激すると同時に、再建されたばかりの朱色に輝く金堂の輝かしい威容に深く感動した思い出がある。
 金堂には国宝・薬師三尊像が祀られている。この仏像は実に美しい。薬師如来をお参りしているちょうどその時に、お坊さんの朝のお務めがあり、一緒に念仏ができた。


 今回は2025年のGWの渦中にお参りしたが、行楽シーズンに合わせて「薬師寺 春の特別拝観」の催しがあり、とても幸運だった。「薬師寺 三大壁画 特別公開」と「東塔・西塔 特別開扉」の特別拝観である。
 三大壁画は、玄奘三蔵院伽藍にある平山郁夫の「大唐西域壁画」、食堂(じきどう)にある田淵俊夫の「阿弥陀三尊浄土図」と「仏教伝来の道と薬師寺」、慈恩殿にある細川護熙の「東と西の融合」であった。特に平山郁夫の壁画は自然の雄大さに圧倒された。細川元首相が画業に優れていることも初めて知った。
 「東塔・西塔 特別開扉」では、塔の内陣(1階層)を見ることができた。中村晋也による釈迦八相像が祀られてあった。塔の東西南北4面に、お釈迦様の人生が彫刻によって表現されている。東塔が前半生で、入胎・受生・受学・苦行。西塔が後半生で、成道・転法輪・涅槃・分舎利。活き活きとしてかつ格調高い素晴らしい彫刻だった。

 薬師寺は17歳の高校生の時に見た時よりも、約40年の間にどんどん変化して新しくなっていた。奈良のお寺の中で大好きなお寺のひとつだが今回訪問して、この寺は生きた寺であることが魅力なのだと改めて感じた。
 また再び訪れたい。
 

東塔 7世紀建立・国宝
西塔 1981年再建
西塔 三重の層に裳階


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